ミル*キス

「彼女の過去……か」


ハァと大きくため息を吐き出した。


「オレ、知らんことばっかりやわ。スミレの過去に何があったかなんて全然知らん。でも、知っても受け止める覚悟はある。オレの気持ちはブレへんって」


「じゃ、大丈夫ですよ」


ミーコはにっこり微笑んだ。

なんか解決したようなしてないような微妙な感じ。

だけど、気持ちを誰かに聞いてもらったせいか、ほんの少し浮上できた気がした。


まさかコイツに慰められるとは思ってもみなかったけどね。




薬が効いてきたのかだいぶ体が楽になってきた。


なぜかもっとミーコと話がしたい、そんな気分だった。



「なぁ、次何話す？」


オレ達は交互に話題を提供していたが、次第に話題が尽きてしまった。


「この状況で話すと言えば、とうとう、アレしかないか……」


オレはわざと低い声を出して深刻そうな顔をした。


「アレって……まさか」


ミーコの顔がひきつる。


「もちろん……怪談……」