ミル*キス
ケンジの話しを一通り聞き終えたオレは、また視線をギブスに戻した。
「ほんまに、こういうのやるんやな」
ギブスにはいくつか寄せ書きがされていた。
さすがというかなんというか、ケンジの人柄のせいなんだろうな。
寄せ書きを見ただけでも、相当な数の見舞い客がきたのがわかる。
「おー。お前も書く?」
「うん」
ケンジが差し出したサインペンを受け取った。
どこに書こうかとスペースを探している時、その中のあるメッセージに目が留まった。
『早くよくなってね』
いかにも女の子らしい文字の横に小さなクマのイラストが描いてある。
さらに、それと寄り添うように、別の字体で
『アホ』の2文字。
どちらも誰が書いたかはすぐにわかった。
「アイツら来とったん?」
オレの視線に気づいたのか、ケンジは「ああ。1時間ほど前にな」と答えた。
アイツらっていうのは、オレ達の高校の同級生。
『アホ』の2文字を書いたのはシィ。
そしてもう1つのメッセージはちぃちゃんのものだろう。
シィとオレは小学生の頃からのつきあいだ。
そしてちぃちゃんは……
オレが初めて本気で惚れた女の子。
今はシィの彼女。
「ほんまに、こういうのやるんやな」
ギブスにはいくつか寄せ書きがされていた。
さすがというかなんというか、ケンジの人柄のせいなんだろうな。
寄せ書きを見ただけでも、相当な数の見舞い客がきたのがわかる。
「おー。お前も書く?」
「うん」
ケンジが差し出したサインペンを受け取った。
どこに書こうかとスペースを探している時、その中のあるメッセージに目が留まった。
『早くよくなってね』
いかにも女の子らしい文字の横に小さなクマのイラストが描いてある。
さらに、それと寄り添うように、別の字体で
『アホ』の2文字。
どちらも誰が書いたかはすぐにわかった。
「アイツら来とったん?」
オレの視線に気づいたのか、ケンジは「ああ。1時間ほど前にな」と答えた。
アイツらっていうのは、オレ達の高校の同級生。
『アホ』の2文字を書いたのはシィ。
そしてもう1つのメッセージはちぃちゃんのものだろう。
シィとオレは小学生の頃からのつきあいだ。
そしてちぃちゃんは……
オレが初めて本気で惚れた女の子。
今はシィの彼女。