ミル*キス
「へぇ……。それで道に迷ったこの子を駅まで送って、ミルキーをあげたってわけか」


ネコ娘との出会いを簡単に説明すると、ルウさんは満足そうにうなずいていた。


「面白いなぁ……メモしとこ」


そうブツブツ呟くと、またノートパソコンをカチカチと触りだした。

この人はいったい何をしてる人なんだろう。

オレは首をかしげた。




あの衝撃の告白の後。

何事もなかったかのように、オレはスミレさんから仕事内容の研修(らしきもの)を受けた。

そしてほんとに6時きっかりにスミレさんは店を出て、オレは今一人で、この店を任されているのだ。



「あたしって……なんでこんななんだろう……。もぉ……消えてしまいたい……」


カウンター席に腰掛けたネコ娘は、さっきから呆然として、独り言をぶつぶつ呟いている。


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