ミル*キス
その言葉にはミーコが反応した。

食べていたケーキを詰まらせたのか、「ゴホゴホッ」とむせている。


目が合うと、頬を赤らめて、パッと目をそらす。


マズい……。

なんか喜ばせた?

期待持たせた?



オレがホントに気になっていたのは、スミレさんの反応だった。

ミルキーという言葉に何か動揺するだろうかと。

だけど、彼女はまるでオレ達の話など聞いていなかったように、平然としていた。


ちょっとがっかりしたオレはまたルウさんに話題を振った。


「次の公演っていつ頃の予定なんすか?」


「12月」


「へぇ。オレ、見に行っていいですか?」


「来てくれるん? じゃ、チケットあげる。彼女でも誘っておいでよ」


ミーコのためなのか?

ルウさんは何かとオレの私生活を探ろうとしてくる。


ここでウソなんてついてもしょうがないか。
(つか、すげぇ腹の探りあい)



「彼女なんていませんよ」
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