ミル*キス
「おかえり、ヘタレ君」


オレがそう言うと、ルウさんはもう堪らないって感じで、ブッと吹き出した。


ミーコは真っ赤な顔で、アイスミルクティーをチューチュー音を立てながら飲んでる。


ちぃちゃんもミーコ同様、耳まで赤くして石みたいに固まってる。


シィは「なんやねん」って怪訝そうに眉を上げる。



「いや、別に……」って、オレはごまかそうとしたが


ちぃちゃんの様子を見て、何かを感じ取ったらしい。



「お前、なんかいらんこと言った?」


オレをジロリと睨む。


「いや、なんも言ってへんよ。ちぃちゃんは大事にされてるなぁ……って話、な?」


ちぃちゃんに同意を求めようと、顔を覗き込んだら、彼女の顔はますます真っ赤になってしまった。


その反応でようやく気づいたらしい。



「おまえなぁ……」


カウンター越しにオレの胸元を掴むと、グッと顔を引き寄せ、小声で囁く。


「お前、余計なこと言うなよ。オレだって色々考えてんねんから」


「色々って?」


「そんなん聞くな」


「いやいや、オレ感心してんねんて。お前、偉いって。よく3ヶ月も我慢できてるな」

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