ミル*キス
「なんで歩いてくんねん、こんな時間に」


責めるようになったオレの口調にビクンと体を震わせると、ミーコはうつむいてポツリと答えた。


「……夜ご飯……のせいです」


「は?」


こいつの話しは、いつもとんでもない方向へ飛んでいくな。


だからぁ、頭で一回考えろっつの。



「食べ過ぎたんです。だから運動のつもりで……。ちょうどダイエットにもなるかなぁって……」


なるほど。

そういうことか。

と納得しながらも、お腹をさすってるミーコの姿がおかしくて思わず吹き出してしまった。


「ぶは。アホか。でもまぁ、ちょーっと気をつけた方がいいかもね、キミの場合。歩け、つか走れ」


笑いながらオレが歩き始めると


「は? ひどい! そんなに太ってませんよ!」


文句を言いながら、ミーコはパタパタとオレの後をついてきた。
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