ミル*キス
いきなり直球でこられた。

言葉の意味から察するに、ミーコが毎日ラファロにやってきていたのは、やっぱりオレ目当てだったってわけで。


「はっきり言ってください」



じっとオレの目を見つめる。

なんでこいつはこんなにまっすぐなんだろう。


だけどどんなにひたむきに想われても、その気持ちにいちいちこたえてたらキリがない。

正直、どうでもいいやつから想われるのは、結構迷惑だったりするんだ。

その想いが真剣であればあるほど……ね。


「じゃ、はっきり言うけど。オレはキミと個人的な付き合いをしたいとは思わへん」


「あはっ」


ミーコは眉を下げ、泣いてるのか笑ってるのかわからないような複雑な表情をした。


「……ホンマにはっきり言うんですね」


消え入りそうな声でそう呟くと、うつむいてしまった。


ホントに泣き出すんじゃないかと心配したそのとき、ミーコがパッと顔を上げた。


「じゃ、もう1つ聞いていいですか?」


「何?」


「……スミレさんのこと、好きなんですか?」


まっすぐな目でそう問いかける。

オレはしばらく黙って、そんな彼女の瞳を見つめた。

それからフッと息を吐き出した。




「さぁね」


「え?」






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