ミル*キス
あの時、どんな話をしたんだっけ?



そうだ。

オレは自分がここに来た理由を告げたんだ。


彼女は?

彼女は何を話していたっけ?


夢の中でもスミレさんの表情は硬かった。

淡々と話す彼女の唇をオレはぼんやりと眺めている。

白い肌に赤い唇が印象的で……そこから目が離せなくてドキドキしてきた。

だけど、その声が聞こえない。


なんでだ?

あの時、彼女はオレに何を言った?


彼女がオレの手にミルキーを握らせる。

オレはそれを口に入れた。


彼女の顔がゆっくりと近づく。


その表情は無表情で……だけど、ゾっとするほどキレイだった。


やがて彼女の手がオレの体に触れた。





「ねぇ…………しようか……」




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