その推し、死なせません~悪役令嬢に転生した私、ループを繰り返しラスボスを救う~
紙安は驚く。
ステイシアがここにいて全てが終わった今……きっとこの身体には元通り彼女の魂が還って来て……。たとえ短くとも、この先もリューグと仲睦まじく暮らしていってくれると信じていたのに。
(どうして!?)
『ふふ、本当は私らしく、最後にお前と取って代わってやろうと思ってたけど、止めとくわ。今お前がどんな顔してるのかもうあたしにはわかんない。……でも、喜びなさい。最後に呪いをかけてあげる。……絶対に、お兄様から離れられなくなる呪い』
時間を巻き戻すように意識がすっと、冴えてゆく。
でももうステイシアには何も伝えられない。繋がりが、消えてゆく……。
『ずっと傍に……いてあげてね、紙安――』
(待ってよ!)
そんな別れの言葉を残して、ステイシアの気配が離れていった。
……とても大きなものが失われてしまった喪失感を抱え、紙安は体を起こす。
目の前には、涙に濡れたリューグの顔がある。
「ステイシア……か?」
「………………いいえ。ステイシアは立派に一人で望みを成し遂げて、遠いところへ行きました……。あなたに似た強い人で、誰よりもあなたを、愛して……」
胸からせり上げる熱いものが喉を詰まらせ。
ステイシアがここにいて全てが終わった今……きっとこの身体には元通り彼女の魂が還って来て……。たとえ短くとも、この先もリューグと仲睦まじく暮らしていってくれると信じていたのに。
(どうして!?)
『ふふ、本当は私らしく、最後にお前と取って代わってやろうと思ってたけど、止めとくわ。今お前がどんな顔してるのかもうあたしにはわかんない。……でも、喜びなさい。最後に呪いをかけてあげる。……絶対に、お兄様から離れられなくなる呪い』
時間を巻き戻すように意識がすっと、冴えてゆく。
でももうステイシアには何も伝えられない。繋がりが、消えてゆく……。
『ずっと傍に……いてあげてね、紙安――』
(待ってよ!)
そんな別れの言葉を残して、ステイシアの気配が離れていった。
……とても大きなものが失われてしまった喪失感を抱え、紙安は体を起こす。
目の前には、涙に濡れたリューグの顔がある。
「ステイシア……か?」
「………………いいえ。ステイシアは立派に一人で望みを成し遂げて、遠いところへ行きました……。あなたに似た強い人で、誰よりもあなたを、愛して……」
胸からせり上げる熱いものが喉を詰まらせ。