その推し、死なせません~悪役令嬢に転生した私、ループを繰り返しラスボスを救う~
「……た、食べます!」
「いい返事だ」

 食堂に向かう間も、彼はずっと穏やかな表情で話しかけてくれる。

 紙安には意外だった。
 ゲーム内では厳しく人を寄せ付けない印象のあるリューグが、こんなにも妹であるステイシアの事を大切にしていたなんて。

(……こんな優しい人が国を滅ぼそうとするなんて、どんな辛い目に遭ったんだろう)

 作中では語られなかったその大きな愛情に触れ……。
 紙安はこの世界の裏側で何が起きていたのか、強く興味を持ったのだった。

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