その推し、死なせません~悪役令嬢に転生した私、ループを繰り返しラスボスを救う~
今までの人生で、一二を争う程の幸福を覚えながら。
規則的な呼吸を繰り返し始めたリューグの傍で、自分もそのままうとうとし掛けた、その時。
スゥ――と息の吸い込む音、そして。
『だぁれの身体を使って、勝手にあたしのお兄様とイチャイチャしてんのよーっ――!!』
「……うぇえええええっ!?」
いきなり耳の中で直接怒鳴りつけたような声が滅茶苦茶に反響した。
紙安の身体がびっく~んと竦む。
素早く周囲を見渡すが、誰もいない。
「ん……どうした。いきなり動いたから驚いたぞ。何かあったのか?」
「え? ええと……。き、気のせい! 気のせいでした。ごめんなさい」
「そうか……? なら、もう少し寝させてくれ」
わずかにまぶたを開いたリューグは、すぐにそれを閉じ、再び気持ちよさそうに寝入った。第二弾を警戒し耳を塞いでいた紙安は、恐る恐る手を外し眉根を寄せる。
(げ、幻聴? 彼には聞こえていなかったみたいだし……。 いやぁでも、それにしてははっきりしすぎでしょ。もしかして誰かに、見られてるの?)
規則的な呼吸を繰り返し始めたリューグの傍で、自分もそのままうとうとし掛けた、その時。
スゥ――と息の吸い込む音、そして。
『だぁれの身体を使って、勝手にあたしのお兄様とイチャイチャしてんのよーっ――!!』
「……うぇえええええっ!?」
いきなり耳の中で直接怒鳴りつけたような声が滅茶苦茶に反響した。
紙安の身体がびっく~んと竦む。
素早く周囲を見渡すが、誰もいない。
「ん……どうした。いきなり動いたから驚いたぞ。何かあったのか?」
「え? ええと……。き、気のせい! 気のせいでした。ごめんなさい」
「そうか……? なら、もう少し寝させてくれ」
わずかにまぶたを開いたリューグは、すぐにそれを閉じ、再び気持ちよさそうに寝入った。第二弾を警戒し耳を塞いでいた紙安は、恐る恐る手を外し眉根を寄せる。
(げ、幻聴? 彼には聞こえていなかったみたいだし……。 いやぁでも、それにしてははっきりしすぎでしょ。もしかして誰かに、見られてるの?)