その推し、死なせません~悪役令嬢に転生した私、ループを繰り返しラスボスを救う~

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 ――この首輪は肩が凝る。

 あれから数日。首に取り付けられた、ぴったりとした晶還術封じの装身具を少し持ち上げ、紙安は重い溜息を吐いていた。

 彼女は隣国で今、リューグの配下からの監視の元、小さな屋敷で静かな生活を送っている。

 あれ以来リューグの姿を見ることは無く、紙安は彼を止めるためどうにかそこを脱出し、国に戻ろうとしていた。
 しかし、ことごとくそれは失敗し、ある日――。

「リューグ様が計画を実行され……フェルメイア王国が滅亡したようだ」
「そうか……我々の役目も終わったな。これからどうするか……」

 そんな話が、屋敷で働く者たちの間で交わされていた。

「あ、ああ……」
 
 膝から力が抜けた。紙安はこの結末を知っている。
 リューグが自らの命と引き換えに暗黒石を起動させ、フェルメイア王国を破壊したのだ。
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