その推し、死なせません~悪役令嬢に転生した私、ループを繰り返しラスボスを救う~
◆(精神世界Ⅰ)◆
◆(精神世界Ⅰ)◆
「いやぁぁぁぁぁぁ――!」
「おい! うるさい!」
「ああぁぁぁぁぁぁっ! あぁぁ――!」
「お前、うるさいっつってんの!」
「あ、ぁぁ……ぇぇ?」
未だに灼熱のような痛みを感じる気がして。
ルキスに身体を切り裂かれた紙安は頭を両手で抱え、その場にしゃがみ込み叫び続けた。
しかし頭上からどやすような声が何度もすると、涙塗れの顔を上げてようやく反応する。
「だ……誰……?」
「ふんっ。ひとの身体でひとの兄といちゃいちゃしてくれた奴が……偉そうにあたしの名前を聞くんじゃないのよ。お前の方こそ先に名乗りなさいっての」
居丈高に見下ろす少女の姿はいつも鏡の中で見ている。
見間違いようがなく、紙安はその名前を呟いた。
「いやぁぁぁぁぁぁ――!」
「おい! うるさい!」
「ああぁぁぁぁぁぁっ! あぁぁ――!」
「お前、うるさいっつってんの!」
「あ、ぁぁ……ぇぇ?」
未だに灼熱のような痛みを感じる気がして。
ルキスに身体を切り裂かれた紙安は頭を両手で抱え、その場にしゃがみ込み叫び続けた。
しかし頭上からどやすような声が何度もすると、涙塗れの顔を上げてようやく反応する。
「だ……誰……?」
「ふんっ。ひとの身体でひとの兄といちゃいちゃしてくれた奴が……偉そうにあたしの名前を聞くんじゃないのよ。お前の方こそ先に名乗りなさいっての」
居丈高に見下ろす少女の姿はいつも鏡の中で見ている。
見間違いようがなく、紙安はその名前を呟いた。