その推し、死なせません~悪役令嬢に転生した私、ループを繰り返しラスボスを救う~
普段は人気の少ない通りに周辺住民の姿がある。
彼らが見つめるのは紙安の住むアパートの方角。
耳障りなサイレン。照明もないのに赤く光る屋根。
(まさか……)
紙安は嫌な予感がしてその場を駆け出す。
アパートに近付くほど人の多さは増し、スマホで撮影中の人すらいる。
そしてそこまで来れば誰でも何が起こったか分かる。
――火事だ。
「うち――燃えてるじゃんッ!」
どういう経緯なのかは分からない。
でもアパート二階の左端が炎に包まれている。
日頃足音がうるさい住人が住んでいて、丁度紙安の部屋の真上だ。
「嘘でしょヤバいって! ……通帳、パソコン……。それに、推しー!」
火災保険は入っている。
でもきっと、苦労して手に入れた限定生産グッズは返ってこない。
あの部屋には、フェスで並みいる猛者との格闘の末手に入れた、血と汗が滲む品だって飾られているのだ!
彼らが見つめるのは紙安の住むアパートの方角。
耳障りなサイレン。照明もないのに赤く光る屋根。
(まさか……)
紙安は嫌な予感がしてその場を駆け出す。
アパートに近付くほど人の多さは増し、スマホで撮影中の人すらいる。
そしてそこまで来れば誰でも何が起こったか分かる。
――火事だ。
「うち――燃えてるじゃんッ!」
どういう経緯なのかは分からない。
でもアパート二階の左端が炎に包まれている。
日頃足音がうるさい住人が住んでいて、丁度紙安の部屋の真上だ。
「嘘でしょヤバいって! ……通帳、パソコン……。それに、推しー!」
火災保険は入っている。
でもきっと、苦労して手に入れた限定生産グッズは返ってこない。
あの部屋には、フェスで並みいる猛者との格闘の末手に入れた、血と汗が滲む品だって飾られているのだ!