その推し、死なせません~悪役令嬢に転生した私、ループを繰り返しラスボスを救う~
(リューグの御両親が生きていてくれたなら、どんなに良かったか……)
一ファンとして、推しの設定資料にもない情報を得られるのは望外の喜びではある。けれど一方、人の思い出に土足で踏み込んでいるような気がして申し訳ない。
そう思った紙安は一応裏を確認し、それを元通り戻そうとした。
(えっ!?)
そこで手が止まる。
目にしたのはおおよそ十数年前の暦と、列挙された家族の名前だ。
その中で紙安の目を釘付けにしたのは一点。
父母に続き、記載されたリューグの名。
そのさらに下。
――ステイシア・アロウマーク。
本来ならば、そこにはそう書かれていなければならないはず……なのだが。
(どうして……違うの?)
予想は裏切られ、紙安は混乱する。
なぜならばそこに記されていたのは、レネ・チェリファーという……。
全く別人の名前であったのだ。
一ファンとして、推しの設定資料にもない情報を得られるのは望外の喜びではある。けれど一方、人の思い出に土足で踏み込んでいるような気がして申し訳ない。
そう思った紙安は一応裏を確認し、それを元通り戻そうとした。
(えっ!?)
そこで手が止まる。
目にしたのはおおよそ十数年前の暦と、列挙された家族の名前だ。
その中で紙安の目を釘付けにしたのは一点。
父母に続き、記載されたリューグの名。
そのさらに下。
――ステイシア・アロウマーク。
本来ならば、そこにはそう書かれていなければならないはず……なのだが。
(どうして……違うの?)
予想は裏切られ、紙安は混乱する。
なぜならばそこに記されていたのは、レネ・チェリファーという……。
全く別人の名前であったのだ。