その推し、死なせません~悪役令嬢に転生した私、ループを繰り返しラスボスを救う~
 四対一の決戦。
 覚醒したロゼと三人の仲間たちが、絶大な力を誇るリューグとせめぎ合う。

 それを扉の影から紙安は息を呑んで見守っていた。
 今回も退学後リューグからは別の国に遠ざけられていたが、大人しくしていたせいで晶還術までは封じられなかった。うまく周りの隙を突いて王国に戻って来たのだ。

 戦況は最初は互角だった。
 しかし、さしものリューグも四対一では分が悪い。
 形勢は傾き、わずかずつリューグは退路を失っていく。
 そこでルキスが叫んだ。

「私とミーシャが盾になる! 君たちはその隙に全力の攻撃を叩き込め! うおおおぉぉっ! 金剛石の盾よ、弾け!」
「……ルキスに従うのは気に食わないが、今だけは手を貸しましょう! 深緑の網よ、護りを! さあ、お二人とも行って下さい!」 

 無色と緑、晶還術の二重の防壁がカイラスとロゼを守る。
 二人はその援護を受けてリューグに真正面に突進……そして。

「「蒼と白の審判!」」
「ぐ……ああぁぁぁぁぁっ!」
(リューグ……!!)
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