その推し、死なせません~悪役令嬢に転生した私、ループを繰り返しラスボスを救う~
「あの……! リューグは、あなたが誰だろうと愛してくれたと思います。大切な家族だから……」
「わかってるわよ。あたしも聞いてたから……だからこそ」
半端なところで言葉を切り、ステイシアは気を取り直したかのようにこちらに向き直った。
「しかし……それ以外はあんまり大した情報は出てこなかったわね」
「えっ……」
ステイシアの言葉に、紙安は違和感を覚えた。
あの、見るからに禍々しい紫の鎖。
リューグの胸に絡みついていたあれを、もしかして彼女は見逃したのだろうか?
「ステイシアさんは見ませんでした? リューグの胸に、なんか気持ち悪い鎖みたいなのが絡みついてるのを……紫色で、強い晶還術の気配を感じる……」
「――詳しく聞かせなさい!」
それを聞いて、ただちに詰め寄ってきたステイシアに紙安は見たありのままを話す。ステイシアはそれを聞いて少し考え込み……答えを出した。
「間違いなく、黒曜石の晶還術の一つよ。だけど、黒曜石はダイヤモンドの次に適性者が希少な宝石なはず。お兄様に術を掛けられるほどの腕前の人間がいるとは思えない……だったらもしかして――」
「わかってるわよ。あたしも聞いてたから……だからこそ」
半端なところで言葉を切り、ステイシアは気を取り直したかのようにこちらに向き直った。
「しかし……それ以外はあんまり大した情報は出てこなかったわね」
「えっ……」
ステイシアの言葉に、紙安は違和感を覚えた。
あの、見るからに禍々しい紫の鎖。
リューグの胸に絡みついていたあれを、もしかして彼女は見逃したのだろうか?
「ステイシアさんは見ませんでした? リューグの胸に、なんか気持ち悪い鎖みたいなのが絡みついてるのを……紫色で、強い晶還術の気配を感じる……」
「――詳しく聞かせなさい!」
それを聞いて、ただちに詰め寄ってきたステイシアに紙安は見たありのままを話す。ステイシアはそれを聞いて少し考え込み……答えを出した。
「間違いなく、黒曜石の晶還術の一つよ。だけど、黒曜石はダイヤモンドの次に適性者が希少な宝石なはず。お兄様に術を掛けられるほどの腕前の人間がいるとは思えない……だったらもしかして――」