その推し、死なせません~悪役令嬢に転生した私、ループを繰り返しラスボスを救う~
「そうなの……。ロゼ、あなたの力ならあの呪いの力に対抗できるんじゃないかしら? 私がどうにかしてもう一度機会を作るから……。お兄様のことを助けてあげて。お願い……!」
「ステイシア……あなたは」

 深く頭を下げて頼み込む紙安に、ロゼは何かを言いかけた後、淡く微笑する。

「わかったわ。私に出来ることならやってみる。私もリューグさんのことが……その、好きだから」
「ありがとう!」

 彼女の両手を握って感謝を告げる紙安。
 するとロゼは首を振り困ったように微笑んだ。



 だがそれからリューグが晶華学園を訪れる機会は一向になかった。
 そのうちに、年は終わりを迎え……。
 再びロゼとリューグを会わせることが出来たのは、年度末にある創立記念パーティーでのことだった。

「――本日は、我れらが晶華学園が創立し、百年の歴史を持った記念すべき日だ! 君たちもこの学園の在校生であることに誇りを持ち、より一層、晶還術の習得に励んでいってもらいたい! では各自、記念パーティーを心ゆくまで楽しんで行ってくれ!」

 壇上で理事長でもあるリューグが高らかに宣言し、パーティーが始まる。
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