ジャーニー☆マリオネット
「そ、そうかな。それならいいんだけど……」
里奈は少し俯きながらチラリと視線をおさげの後ろへと向けた。
そこにいたのは里奈と同じクラスの男子生徒。
3年S組出席番号1番「相川 守」
すらりとした長身で髪はサラサラ、中性的な顔だちをしていてミステリアスな魅力がある。
クールな表情をあまり崩す事がない守は友達からは「アイスボックス」というあだ名で呼ばれる事もある。
そんな守を里奈は熱い視線で見つめる。
「おう、西園寺!」
と男子高校生、通称DKの群れが突然里奈を取り囲む。
「ひゃ、ひゃい! な、ななっ、なんですか!?」
「俺たち今回修学旅行が出来るようになったのおまえのおかげだって聞いたんだよ!」
「そうそう、さすが西園寺財閥のお嬢様だぜ! 太っ腹だな!」
「あ、いや、私はなんにも……」
「俺たちに出来るお礼は何もないけどさ、お礼に胴上げさせてくれよ!」
「ど、どうあげ?」
「よーし、おまえらいくぞ! そぉーれッ!」
DKの群れに突如として体を持ち上げられ、天高く舞い上がる里奈。
「「「「「わっしょい!わっしょい!」」」」」
「や、やめてー!」
里奈の悲鳴はオスたちの声にかき消されるのだった。