猫は悪魔(占いおばちゃん鑑定シリーズ3)
私は彼女のブランドバックの中に、経口避妊薬が入っているのだろう・・と当たりをつけた。

「それに彼、お料理がすごく上手なんです。
レストランで、アルバイトしていたっていうので」

「そうですか」
なるほど、胃袋もつかんだのか。

「デートは、いろいろなレストランの食べ歩きして・・
楽しかったです」

彼女は微笑んだが、その支払いはすべて彼女のクレジットカードだ。

「それで、今回は彼との問題を観てほしい・・ということですね?」

彼女は薄く作り笑顔をして、首を小さく振った。

私が、テーブルの上のタロットカードの箱に触れようとした時だった。

ガリガリガリ・・

「ちょっとぉ!!だめでしょっ!!」

私の視線の先、壁に向かって立ち上がり、フリーズしている爪とぎ姿勢の猫がいる。

私は大声を出して、猫を叱責した。
壁紙に傷があれば、退去時に敷金から、引かれるではないかぁ!!!

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