猫は悪魔(占いおばちゃん鑑定シリーズ3)
猫は悪びれた様子もなく、カーテンの影にすいっと隠れた

黒と茶色のまだらで、顔に傷があり、凶悪な雰囲気がある。

野良でうろついていたのを、保護したのだが、
避妊手術の際に獣医さんが

「この子はファイターですねぇ。
弱い猫はお尻に傷がつくけど、強い子はメンチ切って、戦うから、顔に傷がつくんですよ」

歴戦の強者であるこの猫は、断固、抱っこを拒否する。

飯を食い、おやつを請求して、日がな寝ているか、どこかの隙間に入っているか、人間に心を許さない。

愛想が無く凶暴なので、飼い主が見つからず、そのままここに居ついた状態になっている。

ペット、愛玩動物というより、同居人?
いや「ひも猫」なのだ。

もはや、私の方が使用人にさせられている気分になる。

「猫ってツンデレですよね。
そこがいいっていう人も多いですよね」

来栖さんが、ふわっと笑った。
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