茨の蕾は綻び溢れる〜クールな同期はいばら姫を離さない〜
(この悲しみを俺は知ってる)
開いた傷口に冬の風が容赦なく吹き付けてくるような痛みが追いすがって来たが、陽翔はそれを無理矢理切り捨てて百子に絞り出すように囁いた。
「置いて行かれるのは辛いのは俺もよく分かる。だから俺は絶対に百子を見捨てない。嫉妬したとしても、泣いていても、俺の前でだけは自分の感情を隠さないでくれ」
ほとんど懇願のようになった彼の言葉だが、純粋に自分を気遣ったと受け取った百子は顔をあげる。
「……ほんとに? 離れていかない?」
「……っ! ああ! 離すものか……! 俺を信じてくれ、百子!」
百子の顎に大きな手がそっと添えられて上を向かされたと思えば彼の口づけが降ってきた。唇を食まずにいきなり分厚い舌が入ってきたが、百子はそれに舌を絡めて懸命に応える。彼の舌に悲哀を絡めとられたのか、双眼の熱さが徐々に引いていく。
「はる、と……?」
浮かぶ表情が辛く苦しそうに見えたので、百子はそっと彼を呼ぶ。だがその後の言葉は陽翔の口の中に消え、耳朶を舐められて嬌声に隠れてしまう。間近で聞こえるリップ音に声を上げ、首筋を舐めまわされてさらに高く啼く。性急にブラウスのボタンが外され、ブラジャーごと双丘を揉みしだかれ、ソファーに2つ布の落ちる音がしたと思えば自分の裸の上半身が目に入った。
「今は俺だけ感じてろ」
(待って、いつもよりも激しい……)
息もする暇もなく、激しく舌を絡めとられながら、双丘の蕾をころころと指で弄ばれているなかでも、彼の眉根が寄った顔がやたらと気になってしまう。お互いの肌が極限まで合わさっていたり、百子が陽翔の肌をじっくりと堪能している時はともかく、百子の身体を暴いていく今だと苦しみに耐えてそうな顔をする理由が分からないのだ。
「んんっ……はる、と……」
「まだ考える余裕があるのか」
陽翔の苦しそうな顔が再び百子の心を打つ。その時の気持ちが顔に出ていたのか、陽翔が荒々しいキスを唇に降らせた。百子の首筋を、双丘を、双丘の蕾を、腹を、脇腹を、太ももを陽翔の指が、舌がいつもよりも性急な動きで滑っていく。今までの優しい愛撫でなくとも、すっかり陽翔に甘い疼きを覚えさせられた百子はいつにも増して白い喉を反らせ、甘く高い声を上げさせられていた。
開いた傷口に冬の風が容赦なく吹き付けてくるような痛みが追いすがって来たが、陽翔はそれを無理矢理切り捨てて百子に絞り出すように囁いた。
「置いて行かれるのは辛いのは俺もよく分かる。だから俺は絶対に百子を見捨てない。嫉妬したとしても、泣いていても、俺の前でだけは自分の感情を隠さないでくれ」
ほとんど懇願のようになった彼の言葉だが、純粋に自分を気遣ったと受け取った百子は顔をあげる。
「……ほんとに? 離れていかない?」
「……っ! ああ! 離すものか……! 俺を信じてくれ、百子!」
百子の顎に大きな手がそっと添えられて上を向かされたと思えば彼の口づけが降ってきた。唇を食まずにいきなり分厚い舌が入ってきたが、百子はそれに舌を絡めて懸命に応える。彼の舌に悲哀を絡めとられたのか、双眼の熱さが徐々に引いていく。
「はる、と……?」
浮かぶ表情が辛く苦しそうに見えたので、百子はそっと彼を呼ぶ。だがその後の言葉は陽翔の口の中に消え、耳朶を舐められて嬌声に隠れてしまう。間近で聞こえるリップ音に声を上げ、首筋を舐めまわされてさらに高く啼く。性急にブラウスのボタンが外され、ブラジャーごと双丘を揉みしだかれ、ソファーに2つ布の落ちる音がしたと思えば自分の裸の上半身が目に入った。
「今は俺だけ感じてろ」
(待って、いつもよりも激しい……)
息もする暇もなく、激しく舌を絡めとられながら、双丘の蕾をころころと指で弄ばれているなかでも、彼の眉根が寄った顔がやたらと気になってしまう。お互いの肌が極限まで合わさっていたり、百子が陽翔の肌をじっくりと堪能している時はともかく、百子の身体を暴いていく今だと苦しみに耐えてそうな顔をする理由が分からないのだ。
「んんっ……はる、と……」
「まだ考える余裕があるのか」
陽翔の苦しそうな顔が再び百子の心を打つ。その時の気持ちが顔に出ていたのか、陽翔が荒々しいキスを唇に降らせた。百子の首筋を、双丘を、双丘の蕾を、腹を、脇腹を、太ももを陽翔の指が、舌がいつもよりも性急な動きで滑っていく。今までの優しい愛撫でなくとも、すっかり陽翔に甘い疼きを覚えさせられた百子はいつにも増して白い喉を反らせ、甘く高い声を上げさせられていた。