茨の蕾は綻び溢れる〜クールな同期はいばら姫を離さない〜
このままずっと彼女の匂うような肢体を眺めていたい気持ちと、今すぐ陽翔の指で、舌で、熱杭で百子を乱したい気持ちが束の間せめぎ合う。迷わず後者を選びそうになった陽翔だが、口元を緩めたと思えば彼は首筋に舌を、彼女の胸の下に手を這わせた。

「ひゃあっ! だめ!」

強く甘い百子の制止が出るのと、彼女の腰が跳ねるのは同時だった。いつもよりも良い反応を見せる百子に、陽翔は自分の下半身が痛くなるほど滾って来るのを感じ取る。何ならすでにトランクスを、ズボンを押し上げて辛いくらいだ。

「そうか? ここは嬉しそうにしてるぞ? 期待してたのか?」

そう言って彼は双丘のてっぺんにある実の周りにくるくると指を滑らせ、ふーっと口を窄めて息を充血した実に命中させる。彼女の砂糖菓子のような嬌声が陽翔の耳を撫で、全身にカッと血潮が巡った。

(待って、陽翔がいつもよりも意地悪な気が……)

予想だにしない彼の動きに、百子は翻弄されて声を上げることしかできなくなっていた。視界が遮られると聴覚や触覚がこんなに研ぎ澄まされるとは思っても見ず、彼の指先の熱を受けて白い喉をそらせる。それでも彼は百子の欲しい所に触れてはくれない。首筋に這う舌も、双丘の下を少し持ち上げるように触れる手も、敏感になった今ではそれだけで悦を僅かに拾うが、それが疼きとなって蓄積されていき、もどかしくて首を横に振る。

「はる、と!」

双丘の頂の周りを触るか触らないかのタッチで陽翔の指がなぞった瞬間、百子は彼の名前を呼んで僅かに胴をベッドから浮かせる。まるで陽翔に胸を突き出す格好になっていたのだが、ぼんやりとした白しか見えない百子には、彼が劣情を瞳に灯して生唾を飲んでいる様子など預かり知らぬことだった。

「誘ってるのか? やらしいな」

彼の嗜虐心が含まれた声がしたと思えば、ぬるりとしたものが尖った実を覆い尽くした。

「やああっ! そこ……! ああん!」

百子は体に電気が走ったように体を震わせて彼の頭を手探りで見つけ出し、ぎゅっと力を入れてそれをかき抱く。舌で転がされるたびに背筋が湧き立ち、リップ音をさせて吸われると増幅された聴覚も刺激されて百子は高い声を上げながら彼の髪を梳いた。

(……っ!)

それはまるで母乳を飲んでいる赤子を慈しんでいるような動作だったが、彼女への愛しさがじわりと心の隙間から入り込むのに気づいた陽翔は、片手を彼女の腹に、脇腹に滑らせる。

「こっちも寂しそうだな……たっぷり可愛がってやる」

言うが早いか、足を広げられて陽翔がその間に潜り込んだ。
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