茨の蕾は綻び溢れる〜クールな同期はいばら姫を離さない〜
「……っ! あっ……! あああああっ!」

熱く硬い楔が自身の体の中心を押し広げながら貫き、心地よい圧迫感に苛まれた百子は両手を陽翔の背中に回してぎゅっと抱きしめる。陽翔のしっとりと汗ばんでいる温かな肌と、自身の肌がこすれるこの瞬間は、百子の最も好きな時の一つなのだ。陽翔と極限まで密着している事実にきゅんと下腹部が疼くと、陽翔が低く呻いて眉根を寄せた。

「……っく! 百子のナカ、いつもよりもうねってトロトロなのに締め付けがすごいぞ」

まだ陽翔が動いてもいないというのに、百子の蜜壺は不規則に蠢いて陽翔の熱杭を貪欲に舐めまわしており、百子がそこまで陽翔を求めてくれるのは嬉しいものの、長く百子のナカに留まっていたい陽翔としてはやや複雑ではあった。

「はる、と……」

いつの間にか自身の後頭部に彼女の両手が回り、蠱惑的な彼女の瞳が近づく。彼女から蕩けるような口づけを受けたと思えば、百子の指が彼の髪を梳き、ゆるゆると頭を撫でる。その動きが愛しくて胸がときめくと、百子のナカにある自身がわずかに膨張した気がした。

(上も下も……私……陽翔でいっぱい。嬉しい)

唇が小さな水音と共に離れると、百子は安心したように微笑んだ。それと同時に百子の蜜壺の締め付けがやや緩んで熱杭を優しく包み込む。陽翔は待ってましたと言わんばかりに百子の頭をなでてその耳元で囁く。

「馴染んだな……動くぞ?」

百子の顎がわずかに引いたので、陽翔はしっかりと両手を彼女の手に絡め、ゆっくりと腰を動かし始めた。百子の鼈甲飴のような甘さと艶のある声と、ベッドの軋む音、そして互いの結合部からの水音だけが部屋を支配して愛の時間を彩る。

「はっ……やっ……きもち、いい! はる、と!」

腰を進めると隘路が陽翔を拒むように立ちふさがるが、腰を引くと離れたくないと言いたげに陽翔を引き止めるように襞が絡みつく。それに合わせて揺れる双丘を見てしまうと陽翔の劣情は無尽蔵に湧き出て溢れだす。低いうめき声を交えている陽翔は腰を動かしながらも彼女の唇を奪うのを忘れない。百子は陽翔を受け入れている時のキスが好きなようで、必ず隘路が狭まって陽翔自身に絡みついてくる。

(全部俺で満たされたらいい)

舌で、熱杭で、彼女を自分で満たしているその事実は、陽翔を最高潮に滾らせているのだ。

「百子、もっと見せてくれ。俺の前でさらけ出してくれ」

陽翔はそう告げると、彼女の最奥まで腰を押し進めた。
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