茨の蕾は綻び溢れる〜クールな同期はいばら姫を離さない〜
百子の口が離れ、そこから甘い声が出て体が反ったのを見て陽翔はほくそ笑む。舌にたっぷり唾液を纏わせた彼は百子の唇に噛み付くように口づけ、生臭い不快な匂いを絡めとるように彼女の口腔内を蹂躙し、彼女の小さな舌を軽く吸ってから彼女の唾液ごと生臭いそれを飲み込んだ。

「うわ……出し切って無かったのか……すまん、百子」

散々顔を顰めた陽翔は彼女に向かって詫びるが、百子は首を横に振っただけだった。

「いいの……これは私がしたかったことだし、アレの味もそんなにしてないし……それに面白かったわ」

百子は自分の口の中で次第に膨張していく彼自身を感じている時の背筋の震えは、彼への愛しさ故だと確信していたのだ。そしてその気持ちと同じくらい、彼の熱杭への好奇心が百子にはあった。通常彼が全裸になる時はそそり立つ以外の状態を許さないため、どのくらいの刺激で反応するのかが不明だったのだが、今日で何となくそれを掴めたので、収穫はあったと思ってる。
だが百子のその内心を知ることのない陽翔は、面白いと言われてぽかんと口を開けていた。

「陽翔、愛してくれないの……?」

呆けた陽翔に、百子は彼の頬に手を添えて軽く口づけをしたと思えば、彼を見つめながら胸筋の小さな実を舌でちろちろと舐めたり突いたりして、軽く口に含むとそのまま吸い上げる。

(私はこんなに満たされたいのに)

陽翔の大きな手が後頭部に添えられ呻きが降ってきてもなお、百子は彼の胸の愛撫をやめない。だが唇を離してしまったタイミングで、百子は体を反転させられ、思わずベッドに両手を突いてしまう。陽翔に向かって高く尻を上げた状態になって、自分のすべてをさらけ出している事実に、羞恥で体の奥からとろりと湧き出るのを彼女は感じる。もどかしくて少し腰が揺れてしまったが、それすら陽翔にとっては全身の血潮を滾らせる理由になった。

「いい眺めだ」

つぷりと音をさせて、秘花が陽翔の太い二本の指を飲み込む。そのまま指を曲げて背中側を探っていると、百子の甘く鼻にかかった声がして、陽翔はベッドサイドにある避妊具に再び手を伸ばす。

「あっ、それ! いい……! もっと……!」

いつもと違う体勢で、陽翔の指が未知の場所を蠢いて百子は無意識のうちに陽翔に強請る。彼の指がバラバラに動くのも、腹側を撫でられるのも、等しく白い奔流を呼びつけて既のところで止まる。

「あ……」

陽翔が避妊具をつけるために一度指を抜いたのだ。彼の熱も遠ざかるために心底残念な声になったが、陽翔はふっと微笑んで艶っぽく百子に囁いた。

「そんなに物欲しそうにしててもちゃんと俺ので塞いでやるよ」

彼女が頷くのと、陽翔が腰を進めるのは同時だった。
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