茨の蕾は綻び溢れる〜クールな同期はいばら姫を離さない〜
百子は大きく口を開けたがそこから声が出ることは無かった。白い雷に打たれたようにびくんと体が跳ね、襞が自分の意に反して陽翔自身に縋り付くために、彼の形がはっきりと判別できる。それが何だか嬉しくて、百子の目尻からぽつりと雫が溢れた。

(ああ……私……陽翔の形を覚えてる)

「そんなに俺のが欲しかったのか……っく! 咥えて離さねえつもりかっ」

先程は早く果てたために現在はやや余裕があるものの、気を抜くとすぐに自分だけ天国に行ってしまうと感じた陽翔は、彼女の滑らかな背中に覆いかぶさって、そこに舌を這わせる。

「や! なん、で……!」

「百子の背中がエロいのが悪い」

背中を舐められるのは百子にとっては悦びのようで、襞が再び不規則に蠢き始めた。

「もしかして感じた? 可愛いな」

陽翔は舌を引っ込め、肩甲骨を、背中の真ん中を、腰を赤い花びらで彩り、襞の動きが弱まった段階でゆるゆると腰を動かし始めた。時折彼女の背中の窪みに指を這わせ、彼女の甘い声と精を強請るべくまとわりつく襞を味わっていた陽翔だが、蜜壺の締め付けが増した段階で熱杭をずるりと引き抜いた。

「……え、やだ! 抜かない、で!」

白い奔流の渦潮に放り込まれそうになった百子は、既のところで引き戻されて切なげな色を滲ませ、涙目で陽翔を振り返る。

「その顔すげえそそる……。ずっと見てみたい」

視界がぐるりと反転したと思えば、百子は彼に抱きしめられ、彼の膝の上にいた。ニヤリと口元を歪ませた彼の顔が百子の胸元に来たのもつかの間で、陽翔は彼女を膝に乗せたままごろりと寝転んだのだ。そしてそそり立つ熱杭を彼女の下腹部にぴたりと当てた。

「百子、どうして欲しい?」

からかうような彼の言葉に、百子は顔を赤くしたが、彼の見え見えの挑発に乗せられてばかりなのも何だか癪だった。一瞬ムッとした百子は彼の言葉に答えず、覚悟を決めたようで腰を少し上げて彼自身の根本を軽く握り、ぴたりと体の中心に当てて何度か彼自身でそこをなぞると、ゆっくりと腰を落とした。

「んん……あっ! おく!」

しかしいきなり最奥に彼の先端が当たってしまい、嬌声が半ば悲鳴のようになってしまい、体がつかの間痙攣して勝手に襞が陽翔自身に絡みついてしまう。陽翔の悩ましげな低い声が聞こえたのは嬉しいが、その声を十分に味わう前に百子は白い奔流に攫われてしまった。

「入れただけでイった? エッロ……」

余裕ぶった陽翔だが、内心は彼女の痴態に目を、耳を、熱杭を撫でられて歯を食いしばる。彼女がくたりと陽翔の上に体を預けたのは幸いとしか言いようがなく、陽翔はしばらく彼女の背中をさすっていた。
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