茨の蕾は綻び溢れる〜クールな同期はいばら姫を離さない〜
彼の体が一瞬硬直し、百子はさっと顔を上げるが、彼の規則正しい寝息が聞こえてきて肩を落とした。百子としては、彼にしっかりと睡眠を取ってほしいのは山々だが、陽翔に早く起きてもらわねば、今日という日が始まらなくなってしまう。彼の寝ている間にいたずらをするという、散々使い倒して丸くなった消しゴム程度の罪悪感は、いつの間にか吹き飛んでしまった。
百子は自らの唾液に塗れて朝日をぬらりと反射しているそれに、息を吹きかけたり、いつもよりも少し強めに吸ったり、もう片方の胸の頂や、割れた腹筋にそっと指を這わせた。手のひらの下の筋肉が時折ピクピクとした動きを伝えていても、やはり彼は目を覚まさない。眠っているのに、敏感な場所を刺激すると体は反応するのは何とも奇妙としか言いようがないと、百子はひっそりと思う。
(これだけしてるのに、なんで起きないの……?)
百子は上掛けをめくり、彼の割れた腹筋の下にある茂みと、何故か屹立している熱杭を見やる。ここでようやく百子は訝しんで、上掛けを陽翔にかけ直し、彼ににじり寄った。
「……っ!」
体がぐるりと反転したと思えば、即座に折り重なる彼の体温を、彼の唇の感触を自身の唇で受け止める。そして性急に百子の唇が陽翔の分厚い舌によって割られ、それは口腔を這いずり回り、彼女の頭に色々と浮かんだ疑問や戸惑いを甘く溶かしていった。彼の熱に誘われるように、百子も彼の舌に自身の舌を絡めようとしたが、その前に唇離れてしまい、眉を下げてしまう。
「おはよ。いい目覚めだったぜ」
人の悪い笑みを浮かべた陽翔は、口元をぞろりと舐めてから百子に朝を告げる。百子は小さくおはようと返したが、非難の強い色をその瞳に浮かべて陽翔を凝視した。
「陽翔……いつから起きてたの」
「ん? 百子が俺に熱いキスしてるところからだな」
百子はさっと顔を赤らめて、陽翔の胸板を二回ほど悔しそうに叩く。それではほとんど最初からではないか。一体あの努力は何だったのだろう。
「それならさっさと起きても良かったのに」
「そうか? 可愛い百子が可愛いことしてくれるんだぞ? それを止めさせるって方が酷いだろ」
百子は額をゴツンと彼の額にぶつけた。一生懸命になって起こそうとしていたというのに、当の陽翔には全く伝わっていないのが悔しくて仕方がないのだ。陽翔のうめき声を期待していた百子だったが、逆に自分が額を押さえて呻く羽目になり、彼女は足をばたつかせた。
「いったた……もう! 陽翔の石頭!」
八つ当たり気味に言葉をぶつける百子に、陽翔は頬を掻いてゆるく息を吐く。そして彼はほんのりと赤くなった彼女の額を優しく擦った。
百子は自らの唾液に塗れて朝日をぬらりと反射しているそれに、息を吹きかけたり、いつもよりも少し強めに吸ったり、もう片方の胸の頂や、割れた腹筋にそっと指を這わせた。手のひらの下の筋肉が時折ピクピクとした動きを伝えていても、やはり彼は目を覚まさない。眠っているのに、敏感な場所を刺激すると体は反応するのは何とも奇妙としか言いようがないと、百子はひっそりと思う。
(これだけしてるのに、なんで起きないの……?)
百子は上掛けをめくり、彼の割れた腹筋の下にある茂みと、何故か屹立している熱杭を見やる。ここでようやく百子は訝しんで、上掛けを陽翔にかけ直し、彼ににじり寄った。
「……っ!」
体がぐるりと反転したと思えば、即座に折り重なる彼の体温を、彼の唇の感触を自身の唇で受け止める。そして性急に百子の唇が陽翔の分厚い舌によって割られ、それは口腔を這いずり回り、彼女の頭に色々と浮かんだ疑問や戸惑いを甘く溶かしていった。彼の熱に誘われるように、百子も彼の舌に自身の舌を絡めようとしたが、その前に唇離れてしまい、眉を下げてしまう。
「おはよ。いい目覚めだったぜ」
人の悪い笑みを浮かべた陽翔は、口元をぞろりと舐めてから百子に朝を告げる。百子は小さくおはようと返したが、非難の強い色をその瞳に浮かべて陽翔を凝視した。
「陽翔……いつから起きてたの」
「ん? 百子が俺に熱いキスしてるところからだな」
百子はさっと顔を赤らめて、陽翔の胸板を二回ほど悔しそうに叩く。それではほとんど最初からではないか。一体あの努力は何だったのだろう。
「それならさっさと起きても良かったのに」
「そうか? 可愛い百子が可愛いことしてくれるんだぞ? それを止めさせるって方が酷いだろ」
百子は額をゴツンと彼の額にぶつけた。一生懸命になって起こそうとしていたというのに、当の陽翔には全く伝わっていないのが悔しくて仕方がないのだ。陽翔のうめき声を期待していた百子だったが、逆に自分が額を押さえて呻く羽目になり、彼女は足をばたつかせた。
「いったた……もう! 陽翔の石頭!」
八つ当たり気味に言葉をぶつける百子に、陽翔は頬を掻いてゆるく息を吐く。そして彼はほんのりと赤くなった彼女の額を優しく擦った。