茨の蕾は綻び溢れる〜クールな同期はいばら姫を離さない〜
「だって……本当のことなのに」

陽翔は腰を動かしたくなる衝動に、荒い息を吐いて耐える。先程の百子の言葉と同時に、襞が不規則に熱杭を締め上げるため、白い劣情が炸裂しそうになるからだ。

「……っ! もう、煽んな! 余裕でいられるのは今のうちだぞ!」

再び襞が絡みつき、陽翔は荒々しく彼女の唇に口付ける。通常よりも隘路が狭くなっているため、彼女に無理をさせたくないのに、百子がそれを言葉でぶち壊してくるのに耐えられないのだ。少しでも長く彼女と密着したいという、陽翔の気持ちが伝わらないのがもどかしく、彼は噛み付くように唇を奪う。百子も嬉々としてそれに応え、緩やかに襞が熱杭をなで上げた。

「馴染んできたみたいだな……百子、ゆっくり動くから、辛かったら言えよ」

「……うん。陽翔、動いて? もう大丈夫、だから……ああっ!」

入り口近くを擦られ、百子は喉を反らせて陽翔の腕を掴む。下腹部の甘い疼きが白い波になって百子に降りかかり、徐々にそれは渦を巻くようになる。それに身を任せていると、最奥に熱杭の先端がノックをしたため、目の前が唐突に真っ白になり、喉から迸る嬌声が途切れた。

「やっ! 陽翔! きちゃ……!」

真っ白な浮遊感が百子を包んでいたが、陽翔によって足が閉じられ、彼に背を向ける形で体を横に向けられる。蜜壺の中で彼の熱杭が動き、悩ましげな声が漏れ、背中いっぱいに陽翔の逞しい体温が百子を抱き締める。彼女が陽翔を振り返ると、唇を啄むだけのキスが舞い降り、耳元で陽翔の囁く声がした。

「こうした方が、百子に負担が少ないし、長く一緒にいられるからな」

そう告げた陽翔は、先程よりもゆっくりと腰を動かし、彼女の首筋に舌を這わせながら、双丘に手を伸ばす。柔らかさを楽しむように揉みしだき、時折小さな固い蕾をきゅっと摘むと、彼女の声が大きくなり、隘路がぎゅっと狭まる。腰を引く時に、まるで縋りつくように絡みつくそれに、陽翔は動きをさらに遅くして耐えた。

「やだ……陽翔、焦らしちゃ……! んっ……」

甘い疼きが体に蓄積される一方で、それが弾けて白い奔流にならず、ぐるぐると疼きが体を巡るだけになり、もどかしくて百子は陽翔を振り返る。言葉の続きは、陽翔の口の中に消え、さらに切なく疼きを募らせる。

「陽翔ばっかり余裕で……何かずるい」

唇が離れたので、悔し紛れに口にしたが、甘い吐息混じりのそれは、却って陽翔の口元を歪める結果になった。
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