茨の蕾は綻び溢れる〜クールな同期はいばら姫を離さない〜
「暁美はダンスが好きなのね。さっきまでずっと踊ってたのよ。あんな風に寝るとは思わなかったけど……」

百子は暁美を抱き上げ、ベビーベッドにゆっくりと寝かせる。そして暁美のお気に入りのイルカのぬいぐるみを、大の字になって寝てる彼女の腕にそっと置いた。

「暁美は陽翔そっくりね。私、最初は陽翔を産んじゃったって思ってた」

陽翔は思わず吹き出してしまい、自身の膝を叩いた。

「……何言ってんだよ。確かに顔は俺に似てるだろうが、暁美の髪質と肌質と性格は百子そっくりじゃねえか」

陽翔は眠りこけている暁美を、しばらく撫でていたが、不意に百子を後ろから抱きしめた。不埒な彼の両手は、百子の官能を引きずり出そうと、脇腹やデコルテ、太ももを這い回る。百子は全身にかっと血潮が巡り、思わず陽翔を振り返る。驚いた百子の唇を、陽翔はそっとこじ開け、上顎を、歯列を、頬を舌でなぞり、彼女の舌を探り当てて、最初はゆるりと絡めていたが、徐々にその動きは激しくなっていた。百子の太腿に、彼の固い熱が、その存在を強く主張しており、さらに彼女の体温が上昇する。

「んっ……やだ、おきちゃ……」

唇が離れた隙をとらえ、百子は潤む瞳をして首を横に振る。暁美が産まれてからは、いつもは別室で陽翔と愛を深めているのに、自身がくったりする程のキスを、我が子の前でされるとは思わなかったのだ。

「……すまん。移動するか」

陽翔は百子を横抱きにして、タオルと枕を引っ掴み、そろりそろりと寝室を出る。そして以前二人で寝ていた、シングルベッドのある部屋に移動し、百子をベッドに下ろすや否や、陽翔は彼女の唇に再び噛み付く。その間も、陽翔の大きな手は、彼女のカカオ色の蕾を弾いたり、へその下の茂みを探り当て、花芽に触れるか触れないかの位置で撫で続ける。

「んっ……んー!」

いつの間にかパジャマとショーツを脱がされ、陽翔の指に、舌に翻弄されている百子は、声を漏らすまいと、タオルを口に咥える。いくら別室とはいえ、暁美に嬌声のせいで起こしてしまうのは、何としても避けねばならないからだ。

「百子のここ、まだちょっと甘いな」

ぞろりと膨らんだ蕾を、陽翔の舌が覆って、すぐにまた離され、息をふっと吹きかけられ、百子の体が跳ねる。
わざと舌なめずりをして、彼女にニヤリと人の悪い笑みを浮かべてみせ、顔をさらに紅潮させる所を見届けて、満足した陽翔は、彼女の腹や脇腹に舌を這わせ、段々とそれを彼女の体の中心へと移動させる。膨らんだ蕾を指で弄りながら、陽翔は既に潤みきっている秘花に唇を寄せた。

(暁美が産まれてから、そこばっかり舐めるようになるなんて……!)

嬌声をタオルの白に溶かしながら、百子は去年のことを思い出す。当時は陽翔に吸われても母乳がよく出ており、陽翔が興味本位で飲んだことがあったのだが、翌日になって腹痛を起こし、腹を下したという、不名誉な事件があったのだ。それ以来、陽翔は胸の愛撫を口でする事をほぼ断念し、代わりに百子の蜜の源泉をたっぷりと舐るようになっていた。
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