茨の蕾は綻び溢れる〜クールな同期はいばら姫を離さない〜
陽翔はやや強く自分の腰を進めた。水音が跳ね、肌のぶつかる音と、百子の一際高い声が耳朶を撫でていき、陽翔の脳髄を震えさせる。襞も嬉々として熱杭を迎え入れているのか、彼の白いマグマを噴火させようと複雑にうねっていた。

「あっ……! きもち、いい……! しの、のめ、くん……」

昂る気持ちの向くまま、陽翔は無我夢中で腰を動かす。昨日よりも襞が絡みついて熱杭を離さず、うねった襞に熱杭を持って行かれそうだった。

「百子、どっちが好きだ?」

「え……?」

急に陽翔が言ったので、百子は嬌声の間に疑問を織り交ぜる。何故かここで彼の昂りが体積を増した様な気がしたが、白い小さな奔流に飲み込まれて自身の高い声へと消えていく。

「入り口近くを擦られるのか」

「ひうっ……!」

少しだけ腰を離し、ゆるゆると腰を動かす。熱杭が百子の秘花を蜜に塗れたまま出入りする様子を見ると、自分の劣情がさらに煽られ昂ってしまう。彼女が切なげな嬌声を奏でているのに気づいた陽翔はばちゅん、と音を立てて自分の腰を百子の腰にくっつける。

「それとも奥を突かれるか」

「あああっ!」

襞が熱杭全体を包み、陽翔に白い稲妻をもたらさんと蠢いた。荒く息を吐いて上り詰めた疼きを何とかして逃し、彼女の唇にそっと口付ける。

「どっ、ちも、す、き……!」

「ならこれはどうだ?」

陽翔は百子を抱き締めて体を起こし、自分の膝に百子を座らせる。ゆるゆると腰を動かし、彼女の最奥を優しくノックすると、一際大きな嬌声が喉から湧き上がった。

「うっ……! はっ……! ああ……!」

動くたびに揺れる双丘の頂を陽翔が軽く吸うと、百子が彼の頭を抱き締めて高く啼く。

「ここは好きか?」

「う……ん……!」

彼女の胸に顔を押し付けられる形になった陽翔は、その柔らかさと彼女の嬌声をしばし味わっていたが、襞が熱杭を圧迫するのを感じ取り、彼女の花芽に手を伸ばしてそっとこね回した。

「やだ……! そこ、さわ、ったら!」

百子の脳内で雷が弾けたかと思えば、間髪入れずに体を弓なりに反らせて陽翔の頭をかき抱く。いつもはふわふわと体が浮いたような心地の後にゆっくりと降りてくるはずが、陽翔が再び花芽を指で弾いたので再び百子は一気に上り詰めてしまった。

「まって、イってる、から! やだぁ!」

「なるほどここも好きなんだな」

自身の手で乱れている百子のその様子にふっと笑った陽翔は、彼女の耳元でこう囁く。

「俺のことは好きか?」

(そうだ……私……好きってまだ伝えられてなかった……)

蕩けた瞳に迷うような色を見て、陽翔は彼女の頭をゆるゆると撫でる。

「今すぐ答えられなくてもいい。俺が惚れられるように努力したらいいだけだからな」
< 54 / 242 >

この作品をシェア

pagetop