茨の蕾は綻び溢れる〜クールな同期はいばら姫を離さない〜
陽翔は蠢く襞から熱杭をゆっくりと抜き、百子の体を反転させて、枕を差し出した。

「これを掴んどけ」

彼女は慌ててベットに両手を突いたが、彼が胸の下に枕を入れてきたのでそれを掴む。それを見届けた彼は再び百子の秘花に熱杭の先端を当てがい、隘路を掻き分けたと思えばゆるゆると動き始めた。

「やっ! だめ! ああああっ!!」

彼の熱杭が襞の背中側を抉り、さらに熱杭の先端が容易に最奥まで辿り着き、とんとんとそこに打たれると、目の前が白く瞬いて嬌声しかその口からは出てこない。陽翔もあまり余裕がないらしく、荒い息の中に低い呻きが混じり始めていた。

「好きだ、百子……!」

(わたしも、好きって……言いたいのに)

そう言われて百子の下腹部がきゅんとすると、陽翔もまた低く呻く。そのまま熱杭で襞を掻き回されて百子は声にならない声を上げ、体を大きく震わせた。

「そんなに、締めんな……!」

「しめ、てなん、か……ない、わ……!」

陽翔の熱杭がまた膨らんだ気がした。抽送のたびに淫靡な水音が、互いの肉がぶつかる音が、百子の耳を犯し、陽翔の熱杭が絡みつく隘路をかきわけ、最奥へのノックで白い奔流が幾度となく百子へ襲いかかる。

「しの、のめ……くん……っ!」

目の前に白い光がちらついている百子は、思わず彼の名前を呼んだ。

「陽翔だ」

「えっ……」

「陽翔って呼んでくれ、百子」

そう言って陽翔はぐっと腰を進めた。最奥をノックされ、白の奔流が押し寄せてくる感覚に任せ、百子は喉を反らせて叫んだ。

「……はる、と……!」

彼は後ろから百子を抱き締め、彼女を振り向かせてその唇を奪う。

「お前に名前呼ばれんの、すげー嬉しい」

「は、ると……! はると!」

彼女が陽翔の名前を呼ぶたびに、底知れぬ幸福が彼を襲い、それのせいで限界は目前だった。

「ぐっ……! だめだ! 百子っ!」

陽翔の白い稲妻が鋭く数回弾け、百子を抱きとめる腕に力がこもり、体が震えて跳ねた。熱杭の勢いを失くす前に彼女の蜜壺から引き抜いて手早く処理をすると、へなへなとうつ伏せになった百子を抱き締める。百子は身じろぎして陽翔の頬に手を添えると、そっと唇を食むだけのキスをした。頬に添えられた手は陽翔の頭をゆるゆると撫でている。

「頭を撫でられるのも悪くないな」

そう言いながら陽翔も彼女の頭を撫で、顔にかかった絹のような黒い髪をそっとのけて、額にキスを落とす。それを見届けた百子は陽翔の唇をついばみ、するりと舌を入れてゆっくりと彼の舌を味わった。

「百子?」

彼女の舌が動かなくなったので、陽翔は唇を離して呼びかける。規則的な寝息が程なく聞こえてきたので、彼は小さく囁いた。

「百子、好きだ。俺を利用してもいいから、俺を好きになってくれ……」
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