茨の蕾は綻び溢れる〜クールな同期はいばら姫を離さない〜
百子はそろそろとベッドから降り、床に膝をついて、彼の昂りを彼の太腿を枕にして観察する。初めて目にする物で無いにしても、自分にはない物であるため、何度でも観察したくなってしまうのだ。もう片方の太腿をするすると撫でると、再びピクピクと動くそれは触ってほしいと強請っているように見えて、何だか可愛らしく思えてくるから不思議である。百子はその根本にそっと触れ、もう片方の手で裏筋を緩く上下に擦る。

(あったかい……)

しっとりと、さらさらとした手触りを伝える熱いそれは、百子の手の中で僅かに震えていた。優しく握りこんで一定のリズムで動かすと、彼の荒い甘やかな吐息が降り落ち、彼の大きな手がそっと百子の頭に添えられる。百子はちらりと陽翔を見やったが、何かを耐えるように眉を寄せ、吐息を断続的にこぼしている彼を見ると心の底から彼が愛しいという気持ちがじんわりと這い上がってきた。百子は彼に微笑みかけると、透明に妖しく輝く蜜をそっと舌先で舐めとる。

「くっ……はっ……!」

しょっぱい蜜を味わいながら、百子はそのまま先端に舌をゆっくりと這わせたり、舌先でつつくと、吐息と共に彼の体が僅かに震える。その間も百子の小さな手は幹のような本体を握りながら動かすのを止めない。手の中で熱杭の質量が増したような気がして、百子は笑みを深くすると熱杭の先端に口づける。陽翔が悩ましげな声を出して百子の頭を撫でるものだから、百子はそのまま先端に舌を這わせ、それをそっと口に含んだ。

「ちょっ……! もも、こ! うあっ!!」

ぬるりとした温かい舌が熱杭の先端に吸い付き、さらに彼女が口を窄めるので白い稲妻が体の中心を貫きそうになるのを、陽翔の喉から迸る低い声が何とかして押しとどめる。彼女の舌が先端を蠢いたかと思えば、今度は裏筋に舌を這わせて幹の部分も入るだけ口に収め、陽翔は百子の頭に添えた手に力を入れないようにするのが精一杯だった。百子は熱杭を迎え入れる時には舌を裏筋に這わせて、出す時は口を窄めながら舌を先端に移動させるのを繰り返しており、切なく低い声が歯を食いしばっても口の端から漏れ出てしまう。百子が加減を間違えたのか、彼女の喉に先端が触れて小さなうめき声が耳を引っかき、口腔が一時的に引き締まるので、陽翔は百子を引き剥がそうと彼女の頬に手を触れる。

「こら、無理、すんな……ううっ!」

だが先端に吸い付かれて、陽翔は情けなくも声を上げてしまう。両手の力も緩み、腰も跳ねる。

「へいき、だから。東雲、くん、が……優しくて、うれ、しい」
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