私の幸せ
「えっ?何?」
「コーヒー。自分の買ったついでにやるよ。砂糖なしミルクたっぷりのやつ」
綾人はそう言った後、自分のデスクに向かって何やら作業を始めた。詩織は綾人が差し入れをくれたことに戸惑いつつも、「ありがとう」と言いコーヒーを飲む。カフェインのおかげで頭が先ほどよりもスッキリとし、仕事が捗りそうな気がした。
詩織は綾人に話しかけることはなく、綾人からも詩織に話しかけることはなかった。ただ互いがパソコンのキーボードに触れる音だけが響く。そんな中、口を開いたのは綾人だった。
「そういえば滝本さん、インスタ更新してたぞ。後輩が仕事してるっていうのに、自分は彼女と夜会の綺麗なレストランで食事だってさ」
「ッ!」
詩織は何も言わないよう唇を噛み締め、表情を綾人に見せまいとパソコンの画面に顔を近付ける。そして、何度も心の中で言い聞かせた。
(仕事に集中しろ!集中しろ!集中しろ!)
しかし、どれだけ言い聞かせようとも恋の痛みというものは大きいものだ。ーーー特に本気で相手を想っていれば尚更。
「コーヒー。自分の買ったついでにやるよ。砂糖なしミルクたっぷりのやつ」
綾人はそう言った後、自分のデスクに向かって何やら作業を始めた。詩織は綾人が差し入れをくれたことに戸惑いつつも、「ありがとう」と言いコーヒーを飲む。カフェインのおかげで頭が先ほどよりもスッキリとし、仕事が捗りそうな気がした。
詩織は綾人に話しかけることはなく、綾人からも詩織に話しかけることはなかった。ただ互いがパソコンのキーボードに触れる音だけが響く。そんな中、口を開いたのは綾人だった。
「そういえば滝本さん、インスタ更新してたぞ。後輩が仕事してるっていうのに、自分は彼女と夜会の綺麗なレストランで食事だってさ」
「ッ!」
詩織は何も言わないよう唇を噛み締め、表情を綾人に見せまいとパソコンの画面に顔を近付ける。そして、何度も心の中で言い聞かせた。
(仕事に集中しろ!集中しろ!集中しろ!)
しかし、どれだけ言い聞かせようとも恋の痛みというものは大きいものだ。ーーー特に本気で相手を想っていれば尚更。