私にワルイコトを教えたのは政略結婚の旦那様でした
「はい。
ですから、凛音様からプレゼントされたものなら、大事にしてなくさなくなると思うんですよね」
「そう……かな」
そんな理由で本当に、ボールペンを紛失したりしなくなるんだろうか。
私としては甚だ疑問だ。
「そうですよ。
毎回、出張に行かれるときはあんなに凛音様と離れがたそうではないですか。
きっと凛音様にもらったボールペンを凛音様の代わりにして、大事になさいますって」
「そ、そうですね……」
つい笑顔が引き攣りそうになる。
毎朝、出ていくときは何度も私にキスしてくる炯さんだが、出張へ行く日は特に酷い。
絶対がっつり貪るキスをしてくるんだもの。
人前ではやめてって言っても、聞いてくれない。
「そういうわけでスミは、ボールペンをオススメいたします」
うんとひとつ、スミさんが頷く。
「ありがとうございます。
明日、帰りに街に出て、考えてみます」
「そうなさってください」
話は終わったので、スミさんはまた仕事に戻っていった。
「ボールペン、か……」
いつも使ってもらえるものは、いいかも。
でも、すぐになくされちゃったらショックだな……。
ですから、凛音様からプレゼントされたものなら、大事にしてなくさなくなると思うんですよね」
「そう……かな」
そんな理由で本当に、ボールペンを紛失したりしなくなるんだろうか。
私としては甚だ疑問だ。
「そうですよ。
毎回、出張に行かれるときはあんなに凛音様と離れがたそうではないですか。
きっと凛音様にもらったボールペンを凛音様の代わりにして、大事になさいますって」
「そ、そうですね……」
つい笑顔が引き攣りそうになる。
毎朝、出ていくときは何度も私にキスしてくる炯さんだが、出張へ行く日は特に酷い。
絶対がっつり貪るキスをしてくるんだもの。
人前ではやめてって言っても、聞いてくれない。
「そういうわけでスミは、ボールペンをオススメいたします」
うんとひとつ、スミさんが頷く。
「ありがとうございます。
明日、帰りに街に出て、考えてみます」
「そうなさってください」
話は終わったので、スミさんはまた仕事に戻っていった。
「ボールペン、か……」
いつも使ってもらえるものは、いいかも。
でも、すぐになくされちゃったらショックだな……。