私にワルイコトを教えたのは政略結婚の旦那様でした
もちろん、ミドリさんのお供付きだ。
よさそうだと思ったら数万円の値がついていて躊躇した。
「なんか、ね……」
きっと今までだったら、なにも考えずに買っていただろう。
しかし、今は自分で稼げるお金はこれくらいだから……とか考えてしまう。
でも、炯さんがお仕事で使うものだから、それなりのものがいいはず。
そこでは決めず、少し歩いて百貨店に入った。
今度は、ネクタイとマネークリップを見る。
「うっ」
なんの気なしに愛用しているブランドのお店に入って固まった。
財布や、ちょっとしたバッグだけで私の一ヶ月分のお給料がほとんど飛んでいく。
これまでは値段など知らずにあれが欲しい、これが欲しいで買ってもらっていたが、いかに自分が贅沢をさせてもらっていたか改めて実感した。
「もうちょっとお金、大事にしよう……」
百貨店でのお買い物は諦めて、文具店に戻る。
私の稼ぎとしては、これくらいが相応だ。
「ミドリさん。
こっちのブルーのと、そっちの黒、どっちがいいと思いますか?」
候補は絞ったものの、ふたつで悩んで決められない。
よさそうだと思ったら数万円の値がついていて躊躇した。
「なんか、ね……」
きっと今までだったら、なにも考えずに買っていただろう。
しかし、今は自分で稼げるお金はこれくらいだから……とか考えてしまう。
でも、炯さんがお仕事で使うものだから、それなりのものがいいはず。
そこでは決めず、少し歩いて百貨店に入った。
今度は、ネクタイとマネークリップを見る。
「うっ」
なんの気なしに愛用しているブランドのお店に入って固まった。
財布や、ちょっとしたバッグだけで私の一ヶ月分のお給料がほとんど飛んでいく。
これまでは値段など知らずにあれが欲しい、これが欲しいで買ってもらっていたが、いかに自分が贅沢をさせてもらっていたか改めて実感した。
「もうちょっとお金、大事にしよう……」
百貨店でのお買い物は諦めて、文具店に戻る。
私の稼ぎとしては、これくらいが相応だ。
「ミドリさん。
こっちのブルーのと、そっちの黒、どっちがいいと思いますか?」
候補は絞ったものの、ふたつで悩んで決められない。