私にワルイコトを教えたのは政略結婚の旦那様でした
「でも、やっぱり悪いです。
シェフにごめんなさいって謝っておいてください」

「あ、はい。
わかりました……」

私がぺこんと頭を下げると珍しく彼女は戸惑っているようだが、なんでだろう?

包んでもらったボールペンを受け取り、マンションへと向かう。
途中、コンビニに寄ってもらった。

「夕食がそれでいいんですか」

「はい」

コンビニ弁当を買って嬉しそうな私が、ミドリさんにはどうも理解できないらしい。
でもこういうお弁当、一度食べてみたかったんだよね。
今日はスイーツまで買ったし、大満足だ。

「では、なにかありましたらご連絡ください」

「はい、ありがとうございました」

マンションの玄関でミドリさんと別れる。
鍵はもうもらっているから、勝手に入った。

「あ、炯さんにこっちにいるって連絡しとかなきゃ」

携帯に指を走らせ、連絡を入れる。
そのあとはごはんを食べたりして、少し早めに寝た。
できれば炯さんが帰ってくる時間には起きて、お出迎えしたい。



携帯の通知音で目が覚めた。

「ん……」

まだ眠たい眼を開け、携帯を手に取る。
そこには炯さんから空港に着いたとメッセージが入っていた。

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