私にワルイコトを教えたのは政略結婚の旦那様でした
「明日も休みだし、夕食は少し遅めに摂ればいいだろ?
それでも入りそうになければ、軽めにすればいいだけだ」
「そうですね!」
心配が晴れたので、美味しいスイーツを堪能する。
そんな私をやっぱり、炯さんはおかしそうに笑って見ていた。
「仕事はどうだ?」
「楽しいですよ。
そうだ!
初めてお給料をもらったんです。
私でもお金が稼げるんだって感動しました」
「そうか」
眼鏡の向こうで眩しそうに目を細め、炯さんは紅茶のカップを傾けている。
「それでお買い物に行ったんですが、私のお給料で買えるものってけっこう限られていて、今までいかに自分が贅沢をさせてもらっていたのか実感しました」
「うん」
「それで、これからはもっと、お金を大事にしたいなー、って」
「そうか」
夢中で話していたが、一段落すると炯さんにはこんな話は退屈だったんじゃないかと気になった。
「えっと。
……こんな話は面白くないですよね」
「いや?
俺はそういう凛音が好きだからな。
それに」
ゆっくりと伸びてきた手が、私の口端に触れる。
それでも入りそうになければ、軽めにすればいいだけだ」
「そうですね!」
心配が晴れたので、美味しいスイーツを堪能する。
そんな私をやっぱり、炯さんはおかしそうに笑って見ていた。
「仕事はどうだ?」
「楽しいですよ。
そうだ!
初めてお給料をもらったんです。
私でもお金が稼げるんだって感動しました」
「そうか」
眼鏡の向こうで眩しそうに目を細め、炯さんは紅茶のカップを傾けている。
「それでお買い物に行ったんですが、私のお給料で買えるものってけっこう限られていて、今までいかに自分が贅沢をさせてもらっていたのか実感しました」
「うん」
「それで、これからはもっと、お金を大事にしたいなー、って」
「そうか」
夢中で話していたが、一段落すると炯さんにはこんな話は退屈だったんじゃないかと気になった。
「えっと。
……こんな話は面白くないですよね」
「いや?
俺はそういう凛音が好きだからな。
それに」
ゆっくりと伸びてきた手が、私の口端に触れる。