私にワルイコトを教えたのは政略結婚の旦那様でした
まったくの嘘ではないが、なんとなく後ろめたくて視線が泳ぐ。
「そうでございますか。
わかりました」
ほっとした顔をし、スミさんは私にお茶を淹れてくれた。
ダージリンのいい香りが鼻腔をくすぐる。
それを胸いっぱいに吸い込み、荒んだ心が和らいだ気がした。
炯さんからドレスの候補ブランドを挙げておいてくれと言われていたので、ソファーでだらだらしながら携帯でサイトを巡る。
「あ……」
たまたま見たそのサイトは、和装が専門のようだった。
……炯さんは白無垢姿が見たいとか言っていたけれど、私は色打ち掛けが気になるんだよね。
ドレスの候補と言われていたのに、つらつらと和装の画像を漁っていく。
その中で、目についたものがあった。
「黒引き振り袖か……」
クラシカルな雰囲気は私の好みにマッチしていた。
しかも、その意味が。
「あなた以外の誰にも染まりません、か」
白の、「あなたの色に染まります」より、こっちのほうが好きかも。
私を染めていいのは炯さんだけだ。
どっちにしても彼に相談だけれど。
でも、白はドレスで着るし、和装は色でもいいかもしれない。
「そうでございますか。
わかりました」
ほっとした顔をし、スミさんは私にお茶を淹れてくれた。
ダージリンのいい香りが鼻腔をくすぐる。
それを胸いっぱいに吸い込み、荒んだ心が和らいだ気がした。
炯さんからドレスの候補ブランドを挙げておいてくれと言われていたので、ソファーでだらだらしながら携帯でサイトを巡る。
「あ……」
たまたま見たそのサイトは、和装が専門のようだった。
……炯さんは白無垢姿が見たいとか言っていたけれど、私は色打ち掛けが気になるんだよね。
ドレスの候補と言われていたのに、つらつらと和装の画像を漁っていく。
その中で、目についたものがあった。
「黒引き振り袖か……」
クラシカルな雰囲気は私の好みにマッチしていた。
しかも、その意味が。
「あなた以外の誰にも染まりません、か」
白の、「あなたの色に染まります」より、こっちのほうが好きかも。
私を染めていいのは炯さんだけだ。
どっちにしても彼に相談だけれど。
でも、白はドレスで着るし、和装は色でもいいかもしれない。