私にワルイコトを教えたのは政略結婚の旦那様でした
「まあまあ、いったんお茶にしてゆっくりお選びになったらいいですよ。
それに帯や小物でまた、変わってきますからね」
ゆるーく笑いながら、スミさんがお茶を淹れてくれる。
「そうですね」
そうだ、浴衣がピンクの花柄だったとしても、帯がシックなものだと落ち着いて見える。
浴衣と帯、両方で判断しないといけないのだ。
呉服屋スタッフとああでもないこうでもないといろいろ議論しながら、コーディネートを考える。
するとますます沼にハマってきて、私を悩ませた。
「かえったぞ!」
そうこうしているうちに炯さんが帰ってきた。
というか、いつもよりも早い。
早すぎる。
もしかして炯さんも、浴衣を選ぶのが楽しみだったんだろうか。
「それで決まったのか?」
さりげなく私の隣に座り、彼は並んでいる反物と帯をのぞき込んだ。
「その。
決められなくて……」
こっちの黒よりあっちの赤がいいかな、と思っても、帯を変えるだけで断然黒がよくなったりする。
本当に難しい。
「炯さんはどれがいいと思いますか?」
ちらりと彼をうかがう。
どうせなら、炯さんの好みのものを選ぶのもいいかも。
それに帯や小物でまた、変わってきますからね」
ゆるーく笑いながら、スミさんがお茶を淹れてくれる。
「そうですね」
そうだ、浴衣がピンクの花柄だったとしても、帯がシックなものだと落ち着いて見える。
浴衣と帯、両方で判断しないといけないのだ。
呉服屋スタッフとああでもないこうでもないといろいろ議論しながら、コーディネートを考える。
するとますます沼にハマってきて、私を悩ませた。
「かえったぞ!」
そうこうしているうちに炯さんが帰ってきた。
というか、いつもよりも早い。
早すぎる。
もしかして炯さんも、浴衣を選ぶのが楽しみだったんだろうか。
「それで決まったのか?」
さりげなく私の隣に座り、彼は並んでいる反物と帯をのぞき込んだ。
「その。
決められなくて……」
こっちの黒よりあっちの赤がいいかな、と思っても、帯を変えるだけで断然黒がよくなったりする。
本当に難しい。
「炯さんはどれがいいと思いますか?」
ちらりと彼をうかがう。
どうせなら、炯さんの好みのものを選ぶのもいいかも。