私にワルイコトを教えたのは政略結婚の旦那様でした
腹の底に響く声で凄み、踏み込んできた女性――ミドリさんは教授を蹴り飛ばした。
「凛音様になにをしていると聞いてるんだ!」
「かはっ!」
思いっきりミドリさんに踏みつけられ、彼は悶絶している。
それを見てやっと、自分の身の安全が確保されたのだと悟った。
「……ミ、ミドリ、さん」
「凛音様、大丈夫でございますか!」
すぐに駆け寄ってきたミドリさんが私の全身にぱたぱたと軽く触れ、怪我がないか確認してくれた。
「だ、だいじょう……ぶ」
安心させようと、ぎこちないまでも笑顔を作って彼女を見る。
「遅くなって申し訳ございません」
ぎゅっと彼女が私を抱き締めてくれる。
それでようやく、助かったんだと自覚した。
「ベーデガー教授、今度は……なんだ、これは!?」
すぐに騒ぎを聞きつけ、また人々が集まってきた。
先ほどの比じゃないほど驚いているが、ドアが吹っ飛んで、教授は倒れている状態なんだから、それはそうだろう。
「おい、君は誰だ?」
「私はこういうものでございます」
声をかけてきた中年男性職員を振り向き、ミドリさんは準備していたであろう名刺を渡した。
「凛音様になにをしていると聞いてるんだ!」
「かはっ!」
思いっきりミドリさんに踏みつけられ、彼は悶絶している。
それを見てやっと、自分の身の安全が確保されたのだと悟った。
「……ミ、ミドリ、さん」
「凛音様、大丈夫でございますか!」
すぐに駆け寄ってきたミドリさんが私の全身にぱたぱたと軽く触れ、怪我がないか確認してくれた。
「だ、だいじょう……ぶ」
安心させようと、ぎこちないまでも笑顔を作って彼女を見る。
「遅くなって申し訳ございません」
ぎゅっと彼女が私を抱き締めてくれる。
それでようやく、助かったんだと自覚した。
「ベーデガー教授、今度は……なんだ、これは!?」
すぐに騒ぎを聞きつけ、また人々が集まってきた。
先ほどの比じゃないほど驚いているが、ドアが吹っ飛んで、教授は倒れている状態なんだから、それはそうだろう。
「おい、君は誰だ?」
「私はこういうものでございます」
声をかけてきた中年男性職員を振り向き、ミドリさんは準備していたであろう名刺を渡した。