私にワルイコトを教えたのは政略結婚の旦那様でした
「あ……。
ごめん」
すまなそうに彼が詫びてくる。
それにううんと首を振った。
痛かったけれど、それだけ彼が私のために怒ってくれているのは、嬉しい。
「とにかく、弁護士を通じて厳重に抗議する。
凛音が暴行を受けたというのに、疑っていた大学側にもな」
暴行は言いすぎじゃないかと思うが、でもそうなるのかな……。
しかし、上司はベーデガー教授の顔色をうかがって保身を図っていたようだが、それよりももっと大変な人の反感を買ってしまった気がする。
「そんなところなら、あの大学への寄付や優遇は考えたほうがいいかもな」
炯さんは真剣に考えているが、それって?
「あの……」
「ああ。
三ツ星の幹部にはあの大学出身の者が少なからずいる。
その縁もあって工学部の人間を採用したりもしてるが、大学側がこれだとな……」
これで、「三ツ星の若社長の耳に入っている」と言われ、大学職員たちが怯えていた理由がわかった。
あと、私がここの大学で働くのに炯さんが大賛成だった理由も。
「どうする?
これから」
炯さんが私の顔をのぞき込む。
なにを指しているのかわからなくて、何度か瞬きをしてしまった。
ごめん」
すまなそうに彼が詫びてくる。
それにううんと首を振った。
痛かったけれど、それだけ彼が私のために怒ってくれているのは、嬉しい。
「とにかく、弁護士を通じて厳重に抗議する。
凛音が暴行を受けたというのに、疑っていた大学側にもな」
暴行は言いすぎじゃないかと思うが、でもそうなるのかな……。
しかし、上司はベーデガー教授の顔色をうかがって保身を図っていたようだが、それよりももっと大変な人の反感を買ってしまった気がする。
「そんなところなら、あの大学への寄付や優遇は考えたほうがいいかもな」
炯さんは真剣に考えているが、それって?
「あの……」
「ああ。
三ツ星の幹部にはあの大学出身の者が少なからずいる。
その縁もあって工学部の人間を採用したりもしてるが、大学側がこれだとな……」
これで、「三ツ星の若社長の耳に入っている」と言われ、大学職員たちが怯えていた理由がわかった。
あと、私がここの大学で働くのに炯さんが大賛成だった理由も。
「どうする?
これから」
炯さんが私の顔をのぞき込む。
なにを指しているのかわからなくて、何度か瞬きをしてしまった。