私にワルイコトを教えたのは政略結婚の旦那様でした
大学卒業時に今の家のある土地を祖父に譲り受けて以来、祖父に引き続き炯さんはこのお祭りにそれなりの寄付をしてきたそうだ。
「そちらが若奥様ですか?」
ちらりと彼の視線が、私へと向かう。
「はい。
といってもまだ、籍は入れてないんですけどね」
「は、はじめまして!
城坂凛音です。
これからはよろしくお願いしましゅ……!」
慌てて挨拶したものの、……噛んだ。
それだけでも頭を上げられないのに、さらに炯さんがおかしそうにくすくすと笑っていれば、恥ずかしさは倍増だ。
「こちらこそ、よろしくお願いします」
男性も笑いを堪えていて、今すぐこの地面に穴を掘って埋まりたくなってきた……。
「しっかし、可愛らしい方ですね。
若旦那が惚れるのもわかりますよ」
「そうでしょう」
なぜか自慢げに炯さんが頷く。
いや、そこは自慢されていいのか。
しかし、せっかく大人の魅力が出るように落ち着いた柄を選んだのに、可愛いって台無しだよ……。
「じゃあ、我々はこの辺で」
「はい、楽しんでいってくださいよ」
軽い雑談のあと、事務所を出た。
「さて。
花火の時間まで屋台を回るか」
「そちらが若奥様ですか?」
ちらりと彼の視線が、私へと向かう。
「はい。
といってもまだ、籍は入れてないんですけどね」
「は、はじめまして!
城坂凛音です。
これからはよろしくお願いしましゅ……!」
慌てて挨拶したものの、……噛んだ。
それだけでも頭を上げられないのに、さらに炯さんがおかしそうにくすくすと笑っていれば、恥ずかしさは倍増だ。
「こちらこそ、よろしくお願いします」
男性も笑いを堪えていて、今すぐこの地面に穴を掘って埋まりたくなってきた……。
「しっかし、可愛らしい方ですね。
若旦那が惚れるのもわかりますよ」
「そうでしょう」
なぜか自慢げに炯さんが頷く。
いや、そこは自慢されていいのか。
しかし、せっかく大人の魅力が出るように落ち着いた柄を選んだのに、可愛いって台無しだよ……。
「じゃあ、我々はこの辺で」
「はい、楽しんでいってくださいよ」
軽い雑談のあと、事務所を出た。
「さて。
花火の時間まで屋台を回るか」