私にワルイコトを教えたのは政略結婚の旦那様でした
うなされている彼女に気づき、ベッドに駆け寄った。
身体を丸め、凛音は苦しそうに息をしている。
医者は大丈夫だと言っていたが、やはり異常があるのでは。
不安に駆られながら、その華奢な身体を抱き締めた。
「苦しいのか?
医者を呼ぶか?」
少しでもその苦しみを和らげようとゆっくり背中を撫でてやる。
すぐに彼女は穏やかな呼吸になり、すーすーと気持ちよさそうに寝息を立てだした。
ただし、縋るように俺の寝間着をきつく握りしめて。
「傍にいるから、安心していい」
つむじに口付けを落とし、凛音を抱え直す。
夢の中ではまだ、彼女はあの男に捕らえられているのかもしれない。
なのにひとりにするなど、申し訳ないことをしてしまった。
「ごめんな、凛音。
本当にごめん」
今回はベーデガーの個人的な偏執で家も俺の仕事も関係なかったが、またいつ同じような状況になるかわからない。
今までだって何度か誘拐未遂に遭っているし、その危険は俺との結婚でさらに上がっている。
「どうするかな……」
凛音を籠の中に――狭い世界の中に閉じ込めてしまえば、危険は格段に減るのはわかっていた。
身体を丸め、凛音は苦しそうに息をしている。
医者は大丈夫だと言っていたが、やはり異常があるのでは。
不安に駆られながら、その華奢な身体を抱き締めた。
「苦しいのか?
医者を呼ぶか?」
少しでもその苦しみを和らげようとゆっくり背中を撫でてやる。
すぐに彼女は穏やかな呼吸になり、すーすーと気持ちよさそうに寝息を立てだした。
ただし、縋るように俺の寝間着をきつく握りしめて。
「傍にいるから、安心していい」
つむじに口付けを落とし、凛音を抱え直す。
夢の中ではまだ、彼女はあの男に捕らえられているのかもしれない。
なのにひとりにするなど、申し訳ないことをしてしまった。
「ごめんな、凛音。
本当にごめん」
今回はベーデガーの個人的な偏執で家も俺の仕事も関係なかったが、またいつ同じような状況になるかわからない。
今までだって何度か誘拐未遂に遭っているし、その危険は俺との結婚でさらに上がっている。
「どうするかな……」
凛音を籠の中に――狭い世界の中に閉じ込めてしまえば、危険は格段に減るのはわかっていた。