私にワルイコトを教えたのは政略結婚の旦那様でした
凛音はまだ夢の中で、怖い目に遭っているのだろうか。
「大丈夫だ、俺がいる。
俺が凛音を……」
本当に守れるんだろうか。
こんな怖い目に遭わせてしまった、この俺が。
そんな不安が、首をもたげてくる。
自由を奪えば簡単に凛音を守れる、それはわかっていた。
彼女もきっとわけを承知して従ってくれるのも。
でもそのとき、彼女は出会ったときのような死んだ顔をするのもわかっていた。
そんなのは嫌だ。
俺は凛音に、いつも笑っていてほしいのだ。
「どう、するかな……」
いくら考えても答えは出ない。
長い夜が明けようとしていた。
「大丈夫だ、俺がいる。
俺が凛音を……」
本当に守れるんだろうか。
こんな怖い目に遭わせてしまった、この俺が。
そんな不安が、首をもたげてくる。
自由を奪えば簡単に凛音を守れる、それはわかっていた。
彼女もきっとわけを承知して従ってくれるのも。
でもそのとき、彼女は出会ったときのような死んだ顔をするのもわかっていた。
そんなのは嫌だ。
俺は凛音に、いつも笑っていてほしいのだ。
「どう、するかな……」
いくら考えても答えは出ない。
長い夜が明けようとしていた。