私にワルイコトを教えたのは政略結婚の旦那様でした
夢中になって炯さんを求める。
情動を抑えきれなくなったのか、彼の手が私の胸を弄った。

「……愛してる」

唇が離れ、蕩けるような声で彼が囁く。

「私も、愛しています」

まるで壊れ物のようにそっと、炯さんは私をベッドに横たえた。

「無理はさせたくないんだが……わるい、抑えられない」

目をやった彼のそこはすでに、パジャマの上からでも興奮しているのがわかった。

「大丈夫です。
私も……炯さんが、欲しいから」

「嬉しい」

彼の唇が再び重なる。
そのあとは――。

「炯さんが、欲しいのっ!」

指で、舌で、唇で散々達せさせられ、彼の腕を掴んで懇願する。

「可愛い、凛音」

彼の唇が、目尻に溜まる涙を拭ってくれる。

「そんなに可愛いと、手加減できなくなるんだけど」

そう言いつつも私を気遣うように、ゆっくりとパジャマを炯さんは脱がしていった。

「あの、ね。
炯さん」

彼も服を脱ぎ、避妊具を着けようとしたところで止める。

「……そのまま、きて」

こんなことを言うのは恥ずかしくて、顔ごと視線を彼から逸らした。

「凛音?」
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