私にワルイコトを教えたのは政略結婚の旦那様でした
「こんなに綺麗なんだから、恥ずかしがる必要はないだろ。
……ああ。
俺も脱ぐか」

テキパキと彼が服を脱いでいく。
その下からは厚い胸板の、引き締まった身体が出てきた。

「凄い……」

「ん?
昔、ラグビーやっててこうなってた。
嫌か?」

心配そうに彼が眉を寄せる。
それにううんと首を振った。

「なんか、安心感があります」

「そうか」

嬉しそうに笑い、彼が口付けを落としてくる。
私が乱れた息を整えているあいだに、彼は下着を脱いだ。

……ちゃんとしてくれるんだ。

彼が少し難しそうな顔で、それを装着しているのを、ぼーっと見ていた。
こんな状況でもきちんと私を思い、気遣ってくれていて、彼に頼んでよかったと改めて思った。

「じゃあ」

ゆっくりと彼が私の中に入ってきて、みしりと音がした気がした。
まだ彼の指しか迎え入れたことのないそこを、彼は進んでいく。

「んっ、んんっ、んっ」

「力、抜け」

そう言われても緊張からか、身体に入った力は抜けない。

「茜。
目を開けろ」

声をかけられて、きつく閉じていた瞼を開けた。
そこには、心配そうなコマキさんの顔が見える。

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