私にワルイコトを教えたのは政略結婚の旦那様でした
まずは璃奈と仲良く、ピーラーを使ってジャガイモとにんじんの皮を剥いていく。

「おっ、やってるな」

お米係の炯さんがやってきて、微笑ましそうに見ながら写真を撮っていく。
そのあとは璃奈にも包丁を持たせ、具材を切っていった。
もちろん包丁は、この日のために買った子供包丁だ。
注文したとき、なんでも子供にはさせないとなと、炯さんは笑っていた。

具を切り終わり、シェフの手順どおりに進めていく。
最後の味見は璃奈にしてもらった。

「どうかな?」

「おいしー!」

はい、〝おいしー!〟いただきました!

炯さんのご飯も無事に炊け、夕食になる。

「カレー、璃奈が作ったんだよ!」

璃奈は得意満面だが、あなたは具を切ったあと、見ていただけですが?
ま、いいか。

「そうか!
璃奈は料理が上手なんだな」

がしがしと璃奈の頭を撫で回し、炯さんは褒めている。
絵に描いたような幸せな家庭。
ここを守るために、炯さんも私も頑張っている。

片付けをしたあとは、三人並んでしばらく星を眺め、テントに入った。

「おやすみ」

「おやすみなさい」

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