私にワルイコトを教えたのは政略結婚の旦那様でした
私だって炯さんとふたりきりになって、聞きたいことがある。
「じゃあ、行きましょうか」
「はい」
促されて一緒に部屋を出る。
「ラウンジのカフェでいいか」
「はい」
反対する理由もないので、頷いて一緒にエレベーターに乗る。
回数表示を見つめながら炯さんは無言だ。
私も黙って立っていた。
ラウンジではすぐに席へ案内された。
彼はコーヒーを、私はグレープフルーツジュースを注文する。
「えっと……。
コマキさん、ですよね?」
スタッフが下がり、ふたりきりになって切り出す。
けれど彼はじっと私を見つめるだけでなにも言わない。
もしかして本当に、他人の空似?
なんて不安になり始めていた頃。
「……ぷっ」
噴き出す音がして、俯きかけていた顔を上げる。
「はははっ、ははっ、なんだよ、その顔!」
凄い勢いで笑い出した彼を、唖然としてみていた。
というか、あまりに大きな声だから周囲の人たちに注目されていて恥ずかしい。
「あのー……」
「あー、もー、俺の思惑どおりって顔してて、見合いの最中、笑わないように我慢するの、大変だったんだぞ?」
「はぁ……」
「じゃあ、行きましょうか」
「はい」
促されて一緒に部屋を出る。
「ラウンジのカフェでいいか」
「はい」
反対する理由もないので、頷いて一緒にエレベーターに乗る。
回数表示を見つめながら炯さんは無言だ。
私も黙って立っていた。
ラウンジではすぐに席へ案内された。
彼はコーヒーを、私はグレープフルーツジュースを注文する。
「えっと……。
コマキさん、ですよね?」
スタッフが下がり、ふたりきりになって切り出す。
けれど彼はじっと私を見つめるだけでなにも言わない。
もしかして本当に、他人の空似?
なんて不安になり始めていた頃。
「……ぷっ」
噴き出す音がして、俯きかけていた顔を上げる。
「はははっ、ははっ、なんだよ、その顔!」
凄い勢いで笑い出した彼を、唖然としてみていた。
というか、あまりに大きな声だから周囲の人たちに注目されていて恥ずかしい。
「あのー……」
「あー、もー、俺の思惑どおりって顔してて、見合いの最中、笑わないように我慢するの、大変だったんだぞ?」
「はぁ……」