私にワルイコトを教えたのは政略結婚の旦那様でした
なんだかミドリさんと会うのが少し、楽しみだな。
「あとは……」
「あの!」
「なんだ?」
強めに声をかけられ、炯さんは怪訝そうに私の顔を見た。
「悪いことって、……働いても、いいですか?」
「は?」
おずおずと上目でうかがった私を少しのあいだ見つめたあと、彼は何度か瞬きをした。
「別にかまわないが。
なんだ、凛音は働きたいのか?」
その問いにうんうんと勢いよく頷く。
本当は大学を卒業したら就職したかった。
しかし父に働く必要はないと反対され、半ばいじけて大学院に進学したのだ。
父から見れば良家の令嬢が誰かに使われるなんて、あってはならないのかもしれない。
私としては自分で、お金を稼いでみたかったのだ。
「なら、俺の会社で適当な仕事を……」
「自分で就職活動をしては、ダメですか?」
私に適当な仕事を与えてくれようとする彼を遮る。
「できるだけ自分で、なんでもやってみたいんです」
彼からの返事はない。
良家の奥様として勤め先は吟味したいなどと言われるかと思ったものの。
「やっぱり凛音は可愛いな!」
「えっ、あっ、ちょっと!」
「あとは……」
「あの!」
「なんだ?」
強めに声をかけられ、炯さんは怪訝そうに私の顔を見た。
「悪いことって、……働いても、いいですか?」
「は?」
おずおずと上目でうかがった私を少しのあいだ見つめたあと、彼は何度か瞬きをした。
「別にかまわないが。
なんだ、凛音は働きたいのか?」
その問いにうんうんと勢いよく頷く。
本当は大学を卒業したら就職したかった。
しかし父に働く必要はないと反対され、半ばいじけて大学院に進学したのだ。
父から見れば良家の令嬢が誰かに使われるなんて、あってはならないのかもしれない。
私としては自分で、お金を稼いでみたかったのだ。
「なら、俺の会社で適当な仕事を……」
「自分で就職活動をしては、ダメですか?」
私に適当な仕事を与えてくれようとする彼を遮る。
「できるだけ自分で、なんでもやってみたいんです」
彼からの返事はない。
良家の奥様として勤め先は吟味したいなどと言われるかと思ったものの。
「やっぱり凛音は可愛いな!」
「えっ、あっ、ちょっと!」