私にワルイコトを教えたのは政略結婚の旦那様でした
「エッチなことはほどほどにな」

完全に興奮している私に、炯さんは苦笑いしているが気にならない。
それほどまでに私にとって、画期的なのだ。

「まずはアカウント設定からな。
ひとりでできるか?」

「えっと……。
教えて、もらえますか?」

曖昧に笑って彼に教えを乞う。
今まで設定済みの携帯を渡されていたので、自分でしたことがないのだ。
もう大学院まで卒業しているのに、携帯の設定すらできないのかと飽きられるかと思ったものの。

「わかった。
まず……」

彼は馬鹿にするどころかあっさり教えてくれて、ほっとした。

設定ついでに炯さんオススメのアプリをいくつか入れる。

「あとはこれな」

炯さんが指したのは、スケジュール管理のアプリだった。

「俺のアカウントとリンクして、互いのスケジュールを確認する。
あ、別に監視目的とかじゃないぞ?」

私が不審な顔をしていたからか、彼はすぐに説明してきた。

「俺がいつ日本にいるだとか、いつ家に帰る予定だとか。
そういうのがわかったほうがいいだろ?」

「そうですね……」

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